電動自転車のメンテナンス

電動自転車のバッテリー交換時期、処分(廃棄)について解説します

電動自転車のバッテリー交換時期、処分(廃棄)について解説します

長年電動自転車を使用していると、「充電の回数が増えた」「アシスト力が弱まった」なんてことはありませんか? 電動自転車のバッテリーは、寿命が近くなると充電の持ちが悪くなったり、アシスト力が弱まったりします。しかし、いつ頃バッテリーを交換すれば良いのか判断しづらいですよね。 電動自転車のバッテリー交換時期やバッテリー状態の診断方法、処分方法についてプロ目線で解説していきます。 バッテリーの寿命を早める原因についてもまとめたので、電動自転車に乗っている方だけでなく、これから乗り始めるという方もぜひ、最後まで読んでみてください。 また電動アシスト自転車のバッテリーに関しては、下記特集ページでより詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。 電動アシスト自転車のバッテリーについて徹底的に解説します

電動自転車のメーカー別バッテリーの交換時期

バッテリーは消耗品であり、使用環境や劣化の進行度合いはバッテリーによって異なります。 また、バッテリーに求める性能も利用者ごとに異なるため、寿命を一概に言うことはできませんが、3~4年で交換する方が多いと国内メーカーの多くが公表しています。 パナソニックとヤマハ公式が公表している数値を参照すると、以下になります。 ・総充電回数:700~900回 ・使用年数:3~4年 ただし、上記はあくまでも目安になります。バッテリーは、繰り返し使用するだけでなく、時間の経過によっても劣化します。そのため、使用頻度が少ないバッテリーでも数年で寿命が尽きることがあります。

パナソニックのバッテリーの保証条件から読み解くバッテリーの寿命

参考として、パナソニックはリチウムイオンバッテリーの製品保証条件として、以下の条件を設定しています。 ・使用年数2年以内 ・満充電回数700回以下 ・性能劣化50%以下 ※性能劣化に関しては、参照方法を後ほど詳しく解説いたします。 つまり、2年以上使用している、満充電回数700回以上、性能劣化が50%以上のいずれかの条件を超えている場合、いつ「寿命」と判断しても問題がないことを示しています。

利用者の環境によってバッテリーの寿命を考える

これまで充電回数や年数によるバッテリーの交換時期の目安を提示してきましたが、これはあくまでも目安になります。 バッテリーは、「寿命」が来たから急に動かなくなる、ということはありません。緩やかに劣化が進んでいきます。 そのため、本来の意味でのバッテリーの寿命の定義は利用者により異なります。 例えば、劣化が進み10kmしか走行できないバッテリーでも、1日あたり1km走行できれば十分な方にとっては、充電頻度も少なくてすみ、まだまだ使えるバッテリーと言えます。 しかし、通勤で1日30km走る性能が必要な方には、今すぐ買い替えが必要です。このように同じ劣化状態のバッテリーでも、利用者の環境によっては寿命となることがあります。

電動自転車のバッテリー交換時期に出るサイン

前述のとおり電動自転車のバッテリーは、交換時期に近づくと以下のようなサインが現れます。 ・走行距離が短くなる ・充電回数が増える など これは、バッテリーの性能が劣化した時の症状です。バッテリーを十分に充電したにもかかわらず、上記のようなサインが現れる場合は、バッテリーの交換時期と判断できます。

電動自転車のバッテリー状態を診断する方法

電動自転車のバッテリー状態は、自身で診断することもできます。寿命かなと思ったら、まずは内部診断をしてみるのがおすすめです。以下YouTubeで詳しく解説していますので、ご参照ください。

電動自転車のバッテリー交換時期が早まる原因

電動自転車のバッテリーの交換時期が早まる原因は、主に以下の3つです。 1.バッテリーの残量がない状態での保管 2.満充電状態での長期間放置 3.充電状態で放置する それぞれについて詳しく解説していきます。

1.バッテリーの残量がない状態での保管

バッテリーの充電が0%の状態での保管は、バッテリーを痛める原因になります。特に、電動自転車に乗らない期間が長い場合は、バッテリーの残量に注意が必要です。 使用しない期間が続く時には、バッテリーの残量が0%になっていないか月1回は確認を行ってください。

2.満充電状態での長期間放置

電動自転車のバッテリーは、充電が100%の状態での保管も好ましくありません。満充電の状態にあるバッテリーは、時間経過に伴うバッテリーの劣化を早めてしまいます。 そのため、自転車に乗る予定がない場合は、バッテリーを充電せず保管するのがおすすめです。 ただし、上記でもご紹介した通り、充電が0%の状態も好ましくないため、定期的に充電の残量チェックが必要です。

3.充電状態で放置をする

3ヶ月以上バッテリーを充電機に接続した状態で保管すると、バッテリーへの負担となり寿命を早めてしまいます。また、バッテリーは自己放電によって少しずつ残量が減り、一定の数値まで減ると自動で充電が開始されます。 この追加充電もバッテリーを痛める原因となるため、充電機に接続した状態での放置はおすすめできません。 ただし、電動自転車のバッテリーは100%まで充電されると、自動で通電が遮断されるため、短期間であれば問題ありません。

電動自転車のバッテリー交換時期を伸ばすコツ

電動自転車のバッテリーは使用方法や保管方法などによって、交換時期を伸ばすことが可能とご紹介しました。 交換時期を伸ばすコツは以下の通りです。 1.保管時のバッテリー残量を適切にする 2.高温下での使用、保管を控える 3.高負荷運転を控える

保管時のバッテリー残量を適切にする

交換時期が早まる原因でもご紹介した通り、バッテリー残量が0%または100%状態での保管はバッテリーを痛める原因になります。バッテリーの残量ランプが、1〜3個残っている状態での保管がおすすめです。 また、長い期間電動自転車を使用しない場合は、自転車や充電機から外して保管することがポイントとなります。

高温下での使用、保管を控える

電動自転車のバッテリーは、熱に弱いといった特徴があります。室温が26℃以上の場所での保管は、バッテリーの劣化を早め、寿命が短くなる原因です。 また、室温が低すぎる場合もバッテリーには負担となるため、注意をしなければなりません。
バッテリーの保管に適した場所 ・室温15℃〜25℃ ・湿気が少ない ・直射日光が当たらない

高負荷運転を控える

電動自転車のバッテリーは、高温状態が続くと劣化が早まるため、注意が必要です。高負荷運転は、強いアシストが必要となるためバッテリーが高温になりやすい傾向があります。 長時間強いアシストが必要な乗り方は、控えるようにしましょう。また、高負荷運転をしてしまった場合は、数時間冷暗所で保管しバッテリーの温度を早めに下げる必要があります。
高負荷運転とは 上り坂、重い荷物を乗せている、向かい風など強いアシストが必要な状態での運転のこと

電動自転車のバッテリーの処分方法

電動自転車のバッテリーは、専門業者によるバッテリーの回収やリサイクルが義務付けられています。一般社団法人 JBRCでは、無料でバッテリー回収を行い、リサイクル活動を推進しています。 バッテリーを処分する際は、JBRCに加盟する最寄りのバッテリリサイクル協力店へ、確認や相談をした上でバッテリーを回収してもらいましょう。お近くの自転車店または自治体の窓口で回収場所をご確認ください。 一般社団法人 JBRC 『協力店・協力自治体』検索 なお、電気製品販売店(量販店、ホームセンター)にて電動アシスト自転車を取り扱っている場合、回収を行っていることがありますので、各店舗に確認をしていただくとよりスムーズに処分できると思います。

電動自転車のバッテリーでやってはいけない処分方法

バッテリーを不適切な方法で処分してしまうと事故に繋がる可能性があるため、注意が必要です。可燃ゴミや不燃ゴミとして地域のごみ収集へ出すのはやめましょう。 リチウムイオン電池は、強い圧力や衝撃を受けると発火する恐れがあり、過去には電動アシスト自転車のバッテリーを可燃ごみや不燃ごみに出したことで、ゴミ収集車やゴミ処理場が発火した事例もあります。

まとめ

電動自転車のバッテリーの交換時期や交換時期を伸ばす方法、処分方法について解説しました。 バッテリーの寿命は約3年〜4年ではありますが、使用方法や保管方法、充電方法などによって変わるため、普段の使い方には注意が必要です。ご紹介したコツを参考に、バッテリーの寿命が早まらないように注意をしましょう。 また、バッテリーを処分する際は、専門業者やリサイクル協力店で回収をしてもらう必要があります。 バッテリーを購入する場合、その寿命や処分方法を考慮しなければなりませんが、ノルーデの場合はバッテリー容量が保証されているため、その点を気にせずに利用できます。 電動アシスト自転車のご利用はぜひ一度ノルーデのご利用をご検討ください。