電動アシスト自転車の基礎知識|タイヤ・ハンドル・フレーム・バッテリー・アシストシステムの種類をわかりやすく解説します
今回は電動アシスト自転車に乗ってみたいという方のために、基礎知識をご紹介します!
電動アシスト自転車は普通の自転車と似た形をしていますが、造りが異なります。さまざまな車種が誕生しているため、各パーツの知識を得ておくと電動アシスト自転車を選ぶ際にも役立つでしょう。
また、電動アシスト自転車によくある質問も挙げています。これから電動アシスト自転車を乗る際の参考にしてみてください。
電動アシスト自転車の定義
電動アシスト自転車の基礎知識に入る前に、定義について説明しておきます。
電動アシスト自転車は、道路交通法施行規則で以下のように定義されています。
- 人の力を補うため原動機を用いる 自転車
- 搭乗者がペダルをこがないと走行しない構造であること
- 24km/h までアシスト機能が働き、24km/h を超えるとアシスト機能を停止すること
原動機と聞くと、原付バイクも似たように思いますが、原付バイクは上記定義に当てはまっていないため、電動アシスト自転車とは別物ということになります。
電動アシスト自転車は、上り坂でも楽にペダルが漕げる自転車として企画され、交通弱者層の移動負担軽減を目的に開発されました。
ちなみに電動機が付いている電動アシスト自転車ですが、乗る際の免許は不要です。
電動アシスト自転車の各パーツの基礎知識
ここからは、電動アシスト自転車の各パーツに関する基礎知識を紹介していきます。ここで紹介する基礎知識は、電動アシスト自転車を選ぶ際にも役立つ知識です。
自分に合った電動アシスト自転車を見つけられるヒントになれば幸いです。
タイヤ
電動アシスト自転車のタイヤのサイズは、普通の自転車と同じように4サイズに分かれます。
サイズ |
特徴 |
20インチ |
初めての方でも安心 乗りやすさを重視 |
24インチ |
小柄な方でも乗れるサイズ |
26インチ |
大人用の一般的な大きさ デザインや種類も豊富 |
27インチ |
大きめの大人用サイズ スポーツタイプに使われることが多い |
電動アシスト自転車に初めて乗る方は、20インチのタイヤが小さいサイズを選ぶといいでしょう。
タイヤの小さい電動アシスト自転車は乗りやすいだけでなく、漕ぎだしに必要な力が少なく済むというメリットがあります。小回りも利くため、運転もしやすいでしょう。
また、近年ではタイヤの小さいサイズが人気で、おしゃれに乗りこなせます。
電動アシスト自転車のタイヤは、大きさだけでなく太さにも注目したいところです。
舗装されている道をメインに走るなら、細めのタイヤの方がスムーズに走れます。反対に未舗装の道や石畳などを走るなら、太めのタイヤを選ぶのがおすすめです。
ハンドル
電動アシスト自転車のハンドルは、おもに7種類に分かれます。
ハンドルタイプ |
特徴 |
該当車種 |
おすすめの方 |
セミアップハンドル |
・手前に曲がったハンドルのこと ・楽な姿勢で走行 |
ママチャリ シティサイクル |
お買い物や街乗りする方 |
フラットハンドル |
・真っすぐのタイプのハンドル ・スピードが出しやすい |
ママチャリ シティサイクル スポーツタイプ クロスバイク |
通勤通学に使用したい方 |
ドロップハンドル |
・下に曲線に伸びているハンドル ・空気抵抗が少ない |
クロスバイク |
スピードを重視したい方 |
ブルホーンハンドル |
・ハンドルが前に伸びている ・坂道が上りやすい |
クロスバイク |
スピードを重視したい方 |
シャローハンドル |
・下にハンドルが伸びている ・安定性がある |
ロードバイク |
長距離を走る方 |
アナトミックハンドル |
・下ハンドルが角ばっている ・速いスピードでも安定している |
ロードバイク |
長距離を走る方 |
アナトミックシャローハンドル |
・下ハンドルの曲線が浅い ・初心者でも乗りやすい |
ロードバイク |
長距離を走る方 |
使用する用途によって最適なハンドルも異なります。初めて電動アシスト自転車に乗る方は、セミアップハンドルやフラットハンドル、アナトミックシャローハンドルタイプを選ぶといいでしょう。
フレーム
電動アシスト自転車のフレームとは、前後の車輪を連結させて運転者の体重を支えている部分です。いわば、自転車の骨組みと言ってもいいでしょう。
フレームで使われる素材は、アルミとステンレスが一般的です。アルミは軽量のため、漕ぎやすいというメリットがあります。一方ステンレスは耐久性が高いため、電動アシスト自転車を倒したとしても歪みにくい特徴があります。
バッテリー
電動アシスト自転車でもっとも大切なパーツと言っても過言ではないバッテリー。
まず、電動アシスト自転車のバッテリーは、メーカーや車種によって充電にかかる時間が異なります。一般的には、フル充電するために約3時間~8時間かかると言われています。
バッテリーの寿命は、充電回数に比例します。一般的には約700回~900回の充電回数がバッテリーの寿命と言われています。年数にすると約3年~4年を見ておくといいでしょう。
バッテリーの容量は、使用量だけでなく気温によっても減少するので注意が必要です。特に暑い日は、バッテリーの容量の減りが早くなるため、小まめなチェックは欠かせません。
バッテリーの容量が減ってくると、ペダルが重くなるため運転しづらくなります。バッテリーには現在2つの電池が使われています。
電池 |
特徴 |
ニッケル水素電池 |
残量がある状態で充電を繰り返すと、バッテリーが次第に劣化 |
リチウムイオン電池 |
残量が残っていたとしても継ぎ足して充電可能 |
ニッケル水素電池は、充電を繰り返すことでバッテリーが劣化していくというデメリットがあります。この課題を解消するために導入されたのがリチウムイオン電池です。
そのため、近年ではリチウムイオン電池を使ったバッテリーが主流となっています。
アシストシステム
アシストシステムとは、自転車のペダルを漕ぐことでモーターが動くシステムのことです。
このシステムは、電動アシスト自転車とフル電動自転車で大きな違いがあります。電動アシスト自転車はペダルを漕ぐ動作をサポートですが、フル電動自転車はペダルを漕がなくても、モーターだけの力で進むのです。
電動自転車での2種類に分けられることを知っておくといいでしょう。
電動アシスト自転車のよくある質問
ここからは電動アシスト自転車について、よくある質問を挙げてみました。電動アシスト自転車の意外に知られていない豆知識もありますので、ぜひチェックしてみてください。
電動アシスト自転車は雨の日でも乗れますか?
雨の日でも、通常どおり運転しても大丈夫です。
バッテリーの付いている電動アシスト自転車は、雨の日に乗ると感電してしまうのでは?と思う方も多いようです。
しかし、電動アシスト自転車は、雨の日でも安心して乗れる仕組みになっています。万が一、バッテリーを外して乗ったとしても、バッテリーボックスの端子が雨に濡れても感電する恐れはありません。
バッテリーを長持ちさせる方法はありますか?
基礎知識の項目でも説明しましたが、バッテリーの寿命は、充電回数に比例します。充電の回数が多くなるほど、バッテリーが劣化し寿命が短くなります。
しかし、少しの工夫でバッテリーを長持ちさせることが可能です。
- 充電は満タンにせず90%程度に留めておく
- 満充電のまま、長時間放置しない
- 少しの充電を繰り返さない
- 直射日光のあたる場所に長時間置かない
- 高温の環境下で充電しない
- 暑い場所や寒い場所ではバッテリーを外して保管する
これらを気を付けるだけでも、バッテリーは長持ちします。バッテリーは高温に弱いため、特に夏の充電や電動アシスト自転車を保管する場所にも気を付けましょう。
電動アシスト自転車は歩道でも走れますか?
電動アシスト自転車は、普通の自転車と同じ扱いのため、原則として車道の左側走行をします。
しかし、歩道の中には自転車専用レーンを設けている場所もあるため、そのような場所では歩道走行も可能です。
また、13歳未満または70歳以上の方や障がいのある方は、歩道の走行が認められています。
バッテリーのない状態でも電動アシスト自転車は使えますか?
走行途中、万が一バッテリーが切れた場合も通常どおり走れますので安心してください。
電動アシスト自転車は、バッテリーのない状態だと走行できないという訳ではありません。
アシストシステムの項目でも説明したように、電動アシスト自転車はペダルを漕ぐ動作をサポートするため、バッテリーがなくても普通の自転車と同じように使えます。
まとめ
電動アシスト自転車は、普通の自転車と違いバッテリーが装備されているのが大きな特徴です。バッテリーがあるおかげで、ペダルで漕いだときの動作も軽減され、スムーズな走行ができます。
電動アシスト自転車の乗り心地は、タイヤサイズやハンドルタイプによって異なるため、用途に合わせて選んでみましょう。また、バッテリーを長持ちさせるためにも充電の頻度や気温、保管方法のコツも押さえておきましょう。